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ドイツW杯アジア1次予選
日本代表対オマーン代表
2004.2.18 埼玉スタジアム2002

 2006年ドイツW杯への長く険しい道のりが始まった。W杯アジア1次予選初戦、日本はオマーン、インド、シンガポールと比較的楽と言われるグループ、その中でもオマーンはFIFAランキング的にも過去の対戦成績から言っても最も強豪といっていい相手。1次予選は1位にならなかったらそこでおしまい・・、絶対に負けちゃいけない試合の中でも初戦、ホーム、特に絶対負けちゃいけないのがこの日、このオマーン戦。

 日本代表にとっては絶対に負けられない真剣勝負、アジア予選を戦うのはフランスW杯のアジア予選以来の7年ぶりとなる。あの厳しい戦いの日々を経験しているのは現代表では中田だけってのが日本の不安要素だった。でもね、正直大丈夫だろうと思ってました。その不安にはるかに勝る経験を日本代表は積み重ねてきた。ここ7年間、フランス以前ではそう簡単には組めなかった世界各国の強豪国との親善試合、コンフェデ杯などFIFA主催の世界大会、フランス以前にはいなかった欧州でプレーする選手たち、そして何より2002年自国開催W杯ベスト16、アジアの1次予選くらいでこけるわけがない。気を抜いちゃいけない真剣勝負、でもどっか大丈夫だろうって僕らサポーターも代表選手も思っていたんじゃないでしょうか?

 この日僕らは昼くらいに埼玉スタジアム2002に着きました。代表戦をカテ5(自由)で見ようってのにこの気合いの入っていなさ・・。やっぱりサポーターとしてのモチベーションの低さが伺える。つってもね、17日の昼くらいに場所取りには行っておいたのです。今回3回目の企画となる「ヨンパチ観戦の集い(仮)」って企画のお仲間が並んで下さっていたおかげで埼玉スタジアムホーム側54番目を見事GET!フフフ・・こりゃどこでも好きな席取れちゃうよ。ヨンパチのみなさま、ホント朝からありがとうございました。まだ1次予選、平日開催もあってなのでしょう、昼ごろでもまだまだサポーターの行列はホントたいしたことなかった・・。僕だけじゃない、サポーターがきっとどっか大丈夫と思っている証拠でしょ、サポーターの行列はその熱さのバロメーター、今日のゲージは全然伸びていない・・。なんとなく不安を感じた。さらにテンションを下げたのが北風、寒いの何のって・・。天気は最高に良かったんだけどいかんせん北風がびゅーびゅ〜、開門は16時、寒さに凍え周辺自販機のホットドリンク完売につき営業停止はホントうらめしかった。

 16時開門、54番目であった僕らの前には一体全体何人いるのって行列・・。まぁひとりで並んでいるわけじゃないからね・・。門が開くと徹底した列整理のもと少しずつ少しずつサポーターを入れていった。210番ゲートをくぐってやや上段ど真ん中のいつものポジションを狙う!ウルトラスの方々の間をすり抜けてまさにその真上の席をGETできた。まさにボールポジションです。フフ・・こりゃいい席が取れたぜ!ヨンパチ仲間の女性人は選手をより近くで見たいと最前列を狙い飛び込んでいった。前から3列目がGETできたと彼女たちも大満足のご様子、よかったよかった!席さえ取っちゃえばあとはあとはキックオフまで待つばかり。209番ゲート付近にシートを広げてすっかりお花見気分で勝利の前祝の如くプチ宴を開いた。寒かったんですけどね、それでもビール飲んじゃったもんだからトイレが近い近い・・。

 18時半をまわると選手たちもアップをはじめスタジアムには次第に緊張感が漂いはじめた。いつもより早くサポーターの声援がこだまする。ここ最近元気のなかった感があった日本サポーターだったが今日はトラメガ、太鼓の数が違う。「待ちに待ったW杯の予選、数年ぶりの真剣勝負、今日は圧勝してオレたちの力を見せつけてやろう!」北風を吹っ飛ばすサポーターの声援、数々のフラッグ。嗚呼、この緊張感、熱さ、これが真剣勝負に望むスタジアムの雰囲気。1998年、これからフランスに乗り込む直前の親善試合を思い出した。実は僕、フランスW杯直前のキリン杯を期に生観戦にはまり当サイトを立ち上げました。真剣勝負のアジア予選を生観戦するのははじめて。いつもの親善試合とは違う独特の緊張感が漂っている。・・これがW杯の予選。

 19時20分開始のホイッスルが鳴った。オマーンは予想通りの徹底的に引いて守っての展開。この厚い守備をいかに崩すか、大丈夫、日本とはレベルが違うんだから。とはいったものの、オマーンはこの日2トップの高原、柳沢はもちろん、中田や中村までにも常にひとりが徹底マンマーク、仕事をさせない。そんな煮え切らない展開を切り裂いたのが俊輔の左足、センターライン付近からトップの高原にドンピシャのパス、ドンピシャリ!この大チャンスにたまらずオマーンDFが高原を倒す。PK、GET!!前半30分、こりゃいい時間だ。キッカーは俊輔、俊輔いわくこのキックはコースもスピードも満足のシュートだったらしい、その満足のシュートはあっけなくあいてGKに弾き飛ばされた。PK失敗。たられば論ですけど、これが入っていればオマーンも引いてばかりはいれずスコアも変わっていたことでしょう。オマーンは作戦を変える必要もなく自陣に引いて引いて守って守っての作業を繰り返した。0−0のまま前半が終わった。オマーンの作戦通りってところでしょう。

 後半から柳沢に代えて久保を投入、それでもオマーンはおかまいなし。とにかく失点しない、勝ち点1は拾う。この日のオマーンはチームとしての目的がハッキリしていたせいか高い結束力で日本にいい仕事をさせなかった。徹底マークの2トップMFはもちろん、さらにはアレックス、山田の両翼も機能せずいいとこなし。W杯に行きたいのは日本だけじゃない、オマーンだって他の国だって死ぬほどW杯に行きたいんだ。93年ドーハ、W杯を知らない日本はそりゃそれは死ぬほどW杯に行きたかった。97年ジョホールバル、ゴン中山はどんな「大男でものた打ち回るはずだ・・」と医者に言わしめた骨折をしながらもそれでも走っていた。「死んでもW杯に行きたい」痛みさえも吹っ飛ばす意思、夢があった。今の日本にはきっとこの骨が折れても走る意思がない。2回のW杯出場でW杯を身近なものに感じているのか?「日本を倒さないと次に進めない、ここで日本を叩けたら夢がかなうかもしれない、死んだって守り抜いてやる」オマーンのモチベーションの高さは実力差をかき消していた。遠藤に代えて小笠原、高原に代えて鈴木、誰が来たって絶対に得点させない。この日いい仕事をしていたのはオマーンだった。嫌でも思い出した、W杯への道のりは険しいものだ。これは武器を持たない戦争だ。

 後半ロスタイム、厳しい戦いを思い出すための高い授業料、ホームでの敗戦に等しいドローを誰もが覚悟した。「オイ!みんな声出そう!ここでのドローは負けと同じだよ!こんなところで負けてられないんだよ!!」サポーターの声援が届いたのか?小笠原の縦パスはオマーンDFの前に、これをクリアミス、俊輔の膝に当たってこぼれたボールはどフリーの久保の前にポロリ。久保は落ち着いてオマーンゴール右隅に流し込んだ。後半ロスタイム、最後の最後に守りに守り抜いてきたオマーンのゴールネットが揺れた。埼玉スタジアムに歓喜の声援がこだまする。1−0、やっとの思いでもぎ取った?めぐってきた1点、そのまま試合終了のホイッスルが鳴る。勝ち点3・・やった・・。

 選手もサポーターもみんな思い出したんじゃないでしょうか?日本がW杯に行くのが当たり前だなんてけっして思えないってこと。これから数々の厳しい戦いを勝ち抜いていかなければならないってこと。どこの国も日本以上にW杯を夢見ているってこと。ホームで勝ち点1なんてホント敗戦です。この日はかろうじて高い授業料を払わずにすんだ。それにしてもオマーンが高いモチベーションであったのはもちろんすばらしかったけど日本のデキが悪かった。アジア予選の厳しさを知るのが中田ひとりっていう不安がまさにそのまま出てしまった試合だった。結果的には勝ち点3を取れたわけで結果的にはよかった。前向きに考えるならここでの辛勝はこれからの厳しい戦いのためによかったのかもしれない。W杯は決して身近なものじゃない。死ぬ気でたたかって勝ち取るものだ。僕らサポーターも思い出した。

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