苦節１２年、浦和レッズが優勝した日
２００４年Ｊリーグセカンドステージ第１３節
浦和レッズ対名古屋グランパス
駒場スタジアム 2004.11.20

　We Are Reds!何回叫んできただろう？何千回？いやきっと何万回だ！１２年かかった。僕が浦和レッズを応援し始めたのが９８年、僕みたいなサッカートーシロも６年待った。２００４年１１月２０日、浦和レッズがセカンドステージを制覇した。１２年間、この歓喜を至福の瞬間を知らないサポーターたちはそれでも叫んできた、We Are Reds!Ｊリーグのお荷物と呼ばれた時でも叫んできたWe Are Reds!負けても負けてもそれでも浦和サポーターたちは粘り強くWe Are Reds!を叫びとおした。

　僕が浦和レッズを好きになったのは９８年、小野伸二に魅せられたのがきっかけでした。小野っていうスーパースターを見にスタジアムに足を運びそして浦和に魅せられた。それでもやっぱり観戦に行くと負け試合の方が多い。僕みたいなサッカーシロートをそれでもスタジアム生観戦に駆り立てたのは浦和レッズが持っている「何か」でした。あのスタジアムの雰囲気、そしてWe Are Reds!を叫び続ける素晴らしいサポーターたち。どんなにクソ試合を見せられてガッカリしてもそれでもまたWe Are Reds!を叫びにスタジアムに行ってしまう。We Are Reds!を何十回何百回と叫ぶうちに僕もいつの間にかどっぷりとさかじゃんになってしまったのです。今でもその魅力は「何か」分からない。よくもまぁたくさん負けた。優勝の期待もまぁぁ実らなかった。それでもまた「何か」に引き付けられる。

　この日の名古屋戦、引き分け以上で自力優勝、２位のＧ大阪が負ければ自動的に浦和の優勝が決まる。あと２節を残しての浦和らしからぬ独走態勢、その瞬間を見に駒場スタジアムに詰め掛けたサポーターは２万１千に及んだ。駒場スタジアムで２万１千って言うのがどれだけすごいか、駒場の観客動員数記録になったそうです。負けに負けたのがここ駒場スタジアム、Ｊ２降格の屈辱を味わったのもここ駒場スタジアム、レッズには辛く苦しい舞台だったけど浦和サポーターは聖地と呼ぶ。その聖地でこの日を迎えた、巡りあわせか運命なのか？

　駒場スタジアムに舞い散ったあの紙吹雪、なんでも１４トン、２７０年分に相当する量だったそうです。僕はテレビ観戦でしたが鳥肌が立った。駒場スタジアムであの瞬間に立ち会った人は震えが来たことでしょう。すごいただそのひと言。We Are Reds!の轟きと何も見えない紙吹雪が駒場、聖地を包み込む。埼玉スタジアムっていう新しい素晴らしいスタジアムができたけれど、はじめての優勝はやっぱりここでよかった。

　試合内容云々は触れません。って観戦日記になってないって？いいんです、そんなもんは！大事なのは今日、この日浦和レッズが始めての歴史を聖地で刻んだってこと。負けて優勝を決めるなんて浦和らしいじゃないか！優勝が決まった瞬間、またも舞い散る紙吹雪、チェアマン杯を高く掲げる選手たち、サポーターに手渡す岡野、１２年目にしてはじめて叫ぶ歓喜のWe Are Reds!やっぱ勝って決めてほしかったけどそれもまた浦和レッズじゃないか。

　優勝が決まってからの浦和の町、まさに燃えていた。「ここは日本なの？」って風景が広がっていた。なんならこの日、同じさいたま市、大宮もＪ１昇格を決めた。さいたま市がもっとも熱い日だった。試合の次の日、スポーツ誌は１面ぶち抜きで浦和の優勝を伝えた。絵乱する紙吹雪、歓喜するサポーターたち、そんで数日後、各紙が浦和優勝特別号を創刊した。んなもん全部買っちまうって！

　チャンピオンシップでまた歓喜のWe Are Reds!を叫ぼう！今度は勝って決めよう！３ステージ連続制覇の横浜Ｆマリノス、我々は挑戦者だ！Ｊリーグ最後のステージ王者、そして最後のチャンピオンシップ、お荷物と呼ばれ降格を知り、それでも地域と熱いサポーターたちがけっしてサポートを止めなかった浦和レッズ、愛され続けた浦和レッズ、「何か」を失わない浦和レッズ、我々こそが最後のチャンピオンシップ制覇にふさわしい。チャンピオンシップ第２戦、埼玉スタジアム２００２、新しい浦和の聖地で新しい浦和の歴史を刻もう。そして歓喜のWe Are Reds!を！

※この日、駒場で生観戦した幸せな方、是非とも当サイトに写真を送って下さい。幸せを分けて下さい。

2004 Jリーグ ディビジョン1セカンドステージ-浦和レッズ チャンピオンへの軌跡-

※このページで使用させていただいています写真は浦和レッズサポーターのQooshunさんから提供いただきました。Qooshunさんありがとうございました！