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2006ドイツワールドカップアジア最終予選
日本代表対北朝鮮代表
埼玉スタジアム2002 2005.2.9

 やってきました最終予選、1997年以来、実に8年ぶりのアジア最終予選。あれから日本サッカー界も目まぐるしく変わった。1998年ワールドカップ出場、1999年ワールドユース準優勝、2000年シドニー五輪ベスト8、で、その時のメンバーが今のフル代表に多く加わり、さらに200年はアジアカップ優勝、2001年ドンフェデ杯はFIFA主催のAマッチで初の決勝進出、2002年ワールドカップベスト16、で2004年アジア王者を連覇!1997年から見ると実力、実績、あの時からは考えられないくらいの進化を遂げている。あの時は選手たちもサポーターたちにも夢の夢だったワールドカップ、それがあれからたった8年で2度のワールドカップを経験し出場が夢ではなく本戦での先が夢となってきた感が出てきました。

 しかし、ワールドカップ出場権は夢ではないのか?1998年、それが夢でった日本代表はそりゃすごかった。明らかに今の代表から比べるとその実力は落ちることでしょう。でも「行きたい!」って気持ちが違う。カズは尾てい骨を骨折を隠して走っていたし、ゴンは本戦でやっぱり骨折しても走っていた。最終予選にのぞむサポーターの意気込みもそりゃあそりゃあすごいものでした。当時、最終予選のチケットは店頭発売していたということもあり、全国のチケットシュップにはすさまじい徹夜組。本当に行きたい人にしかチケットが回らなかったためってのもあり、スタジアムにはひりつく様な熱気と、行けるか行けないかのギリギリの緊張感が付きまとっていた。

 あれから8年、最終予選を知るメンバーは川口のみの代表、そしてあの時を知るサポーターはいったいどのくらいスタジアムに詰め掛けていたのだろう?これまでの親善試合、1次予選とは訳が違う。この試合には夢のワールドカップチケットがかかっているのです。これはお祭りなんかじゃない、武器を持たない戦争です。そんな緊張感が今の日本サポーターにはあるのかな?埼玉スタジアム2002はどんな雰囲気をかもし出すのだろう?2001年にワールドカップのために作られたこのスタジアムははじめての最終予選を迎える。どの国だって死ぬほどワールドカップに行きたいんだ。その気持ちを忘れたらきっと勝ち進むことはできない。

 日本代表初戦の相手は北朝鮮、拉致問題等、政治的因縁の深い相手ということもあり、この試合は大注目となった。マスコミ各社もこぞってこの一戦を取り上げスポーツ新聞、スポーツ番組に限らずあらゆるメディアがこの試合を盛り立てる。そんなこともあり、このチケットもいつもに増してのプレミアぶり。いつもの代表戦のチケットが2〜4倍くらいのプレミアですが、今回は6〜8倍くらいの値でネットオークション、金券ショップには出回っていました、・・高いから。この加熱ぶりにJFAも異例の会見、スポーツ関係だけではなくマスコミ各社をすべて集め、加熱報道に注意を促すほど。

 サッカーに政治を持ち込む必要はないけど、切っても切り離せないものでもあるんです。8年前の最終予選、やっぱり韓国との試合は戦争だった。2002年を経てそして日韓両国アジアの実力国となった今、すっかり友好的な関係ではありますが、当時はまさに青と赤、お互い絶対負けたくない相手だった。韓国選手たちは日本にものすごい形相で牙をむいていたし、日本選手、サポーターだって韓国にだけはって気持ちがすごく強かった。いつの試合だったっけ?チェヨンス(現・横浜FM)がゴールを決めた後、こぼれた球をさらに日本ベンチに蹴りこんだ。「どうだ!オレが韓国のチェだ!」みたいな感じ。日本ベンチが「この野郎〜っ!」って一触触発の雰囲気。クソーチェの野郎って思ったけど、思えばそのチェは日本のクラブを愛し日本を愛し日本でのプレーを選んでいる。この北朝鮮戦、政治的因縁をこの最終予選が解決するひとつのきっかけになったなら素晴らしいんですけどね。

 前ふり長いって?埼玉スタジアムに着いたのは昼ちょっと前、これも事前に場所とりを行い、早朝から並んでくださったみなさまのおかげです、いつもお世話になりまして本当にありがとうございます。まずすごかったのがバリケード、浦和美園から埼玉スタジアムに続く道、埼玉スタジアムが近づいてくると左右にバリケードで分断される。日本サポーターと北朝鮮サポーターはスタジアムの外から分断される形となっていた。また警官隊の数、これもご覧のとおりの警察車両、そして警官隊、ワールドカップでも見たことのない風景。政府、地方自治体、サッカー協会、こういうときだからこそ何事もなく試合を終えたい。まさに限界体勢でした。さらにこの厳戒態勢の埼玉スタジアムを取材しようと集まったマスコミの数、これもいつもの代表戦の比じゃなかった。スタジアム上空にはヘリが飛び回り何かいつもと違う雰囲気が漂う。

 ただね、僕はずっと思ってたんだすけど、いつも通りやればいいんじゃないのってね。スポーツに政治を持ち込む必要はないし、サッカーで北朝鮮の方々をどうこうしてやろうとも思わない。世界一マナーのいいサポーター、僕ら日本サポーターは仮に負けたとしても北朝鮮の方々をどうこうしようとは思わない・・って僕は思うんですけどね。

 16時、開門、ぞろぞろと埼玉スタジアムに消えていく蒼きサポーターたち。この日は荷物チェックはもちろんのこと金属探知機までもがゲートには待っていました。まさに厳戒態勢。ほぼ最前列から入場した僕らはどの席でも取り放題状態。ホント、ヨンパチではじまったみなさま、感謝感謝でございます。さぁあとはキックオフまでを待つばかり、余裕で席にふんずりかえってどんどん埋まっていくホームゴール裏を眺める。それにしても2月、スタジアムは寒い・・。今やテレビ視聴率もドル箱状態のサッカー日本代表戦、試合をゴールデンにぶつけるのはスタジアムに来れないサポーターのためであるのもうなずけますが、やっぱり生観戦を楽しむ僕らとしてはもっと早くやっていただきたい。昼間なら芝もキレイだし、夕方キックオフならきっと埼玉周辺飲食店にはかなりの経済効果が見込める。オレなんて祝勝会にあ埼玉の在庫ビール飲み干しちゃうよ!昼間の代表戦、もうそれはワールドカップより夢になっちゃったかなぁ・・。

 この試合、僕が一番印象に残っているのがロスタイムの劇的ゴールでも小笠原の素晴らしいFKでもなくて国歌斉唱。北朝鮮はどういう意味があるのか国家斉唱は音楽だけのものとなりました。北朝鮮の選手紹介の時には大ブーイングの日本サポーター、これはいつものこと、しかし北朝鮮の国歌斉唱には誰一人としてブーイングする人がいなかった。別に大々的にゴール裏でサポーターたちが「今日は国歌斉唱でのブーイングはなしね!」なんて呼びかけがあったわけでもありません。北朝鮮の国歌斉唱の間、埼玉スタジアムは静寂に包まれていました。フランスワールドカップの時、世界一のサポーターと称えられた日本サポーター、いつの間にか共通の意識が生まれている。日本サポーターたちも成長している。これこそ国際試合の楽しみ方です。埼玉スタジアムゴール裏で思わずニヤリと、そして日本人であることに誇らしい気持ちになりました。仮に今日の対戦相手が中国だったならどうだったかなぁ?・・きっと同じだね!だって僕らは世界一の日本サポーターだもん。日本国歌斉唱の時にもアウェイ側からはブーイングは聞こえませんでした。確信しましたね!これから90分、どんな試合になっても今日もこの厳戒態勢は必要なかった。

 さぁやっとこ試合のお話。みなさん見ましたよね?4分の小笠原のゴールあれ素晴らしかったですね!しかし早すぎる得点だったのか、その後の日本の動きはいまいち。圧倒的な蒼いスタジアム、日本の応援の中、アウェイに詰め掛けた赤の集団たちの応援も聞こえてきたし、何より北朝鮮選手たち。早いし当たりも強いし非常によく頑張っていた。運動量も豊富だったし上から見ていても勝ちたいって意識が伝わってきました。61分、北朝鮮のひたむきなプレーが実を結ぶ。1−1、振り出し。静まるスタジアムに湧き上がるアウェイ北朝鮮サポーター、まずい・・。追いついたことですっかり乗ってきた北朝鮮、日本ゴールを攻め立てる。日本も中村、高原を投入し挽回を図る。心配だったのが4バックにしたこと。浦和サポーターの僕ですら思います・・、アレックスのディフェンスは穴・・。ディフェンスの不安はあれど躍進していたのが中村、中村が入ってから明らかに日本の攻撃の形が変わる。高原も素晴らしい動きを見せるも得点にはつながらず。試合終了が近づいてくると引いて守る北朝鮮。そりゃそうだ、ドローなら北朝鮮には勝利に等しい。日本にとっては敗戦です。この最終予選、ホームでいかに勝つか、そしてアウェイでいかに負けないかが重要。この日の日本代表はむしろアウェイでのような戦いぶりでした。

 そんな中、79分、ジーコはここはホームであることを示すかのように大黒を投入する。ジーコからの指示は「とにかく得点しろ!」とのこと。この時間のFWの投入、言われなくたって分かってるってね!で、あの後半ロスタイムの劇的ゴール!埼玉スタジアムはまさに揺れました。ゴール裏、誰かれかまわず抱き合って喜んだ!劇的得点!ギリギリで選ばれた大黒が決定的劇的仕事をやってのけた。東でばかりやっている日本代表戦、さぞかしこの西のエースの得点に西ニッポンも盛り上がったことでしょう。2−1、時間はあとわずか、さっきまで吹くな吹くなと思っていたホイッスル、早く吹け早く吹け!!そして試合終了のホイッスル!揺れるスタジアム、劇的勝利!よかったぁ〜〜危なかったぁ〜〜それでもどうにか勝ち点3をあげたってことが素晴らしい。8年ぶりの最終予選、嫌って程思い出しました。最終予選は甘くない、そしてどの国も死ぬほどワールドカップに行きたいんだ、命を掛けて戦っている。

 19時30分キックオフ、興奮冷めやらぬスタジアムのこの素晴らしい雰囲気をもっともっと楽しみたいけど明日は仕事・・。早々にスタジアムを引き上げました。あぁ切ない。早く帰らねばと浦和美園に向かおうとすると埼玉スタジアム北口から南口に抜ける道にはバリケードが・・ええ〜!「浦和美園駅に向かう方は回り道してください!」係員がトラメガを持って叫んでいる。あそっか!厳戒態勢だった。それにしてもこんなところにまでバリケードがあるなんて。あの寒い中、警備に当たった数千人の警官、警備員の方々には申し訳ないですけど、マナーのいい素晴らしい日本サポーターたち、そして北朝鮮サポーターたちのおかげで心配された混乱もなくこの大注目の試合は日本の劇的勝利で幕を閉じました。これからの最終予選に一抹の不安を残す内容ではありましたが、生観戦した僕からしてみればハラハラドキドキの劇的勝利!まさに生観戦の素晴らしさここにあり!って内容で最高に楽しめました。でももういいから!もちろんこの先のホーム試合も行くつもりですけど、もうハラハラドキドキはいりません!必要なのは勝ち点3、しっかりこれをGETして何よりほしい2006年夢の舞台を至福の時を僕らに与えてほしい。

 最後にこの劇的内容が影響してかこの日のテレビ視聴率、47%とか、最高瞬間にいたっては50を裕に超えたとか。昼間の代表戦、これは夢になっちゃいましたね。

この日のベストショットは迷球魂にて

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